九条美術の会

事務局ニュース 2019年8月22日

9条破壊許さない闘いを  

7月21日に実施された参院選で、改憲勢力の三 分の二議席確保を阻止し、改憲への加速化にブレー キを掛ける事が出来ました。しかし彼らはあきらめ ていません。これからび改憲阻止の正念場です。

裏面掲載の「九条の会声明」を多くの方に届け、参 院選で発揮した市民運動の力に確信を持ら、広範な 人々に9条改憲の危険性を訴えようではありません か。

九条美術の会では新しい美術家の方々を含め、7 干名にこのニュースを送らせていただきました。是 非こ活用ください。

★ちばてつや氏と志田陽子さんの講演会(9月)と 第9回九条美術展(12月)の案内も同封しました。

★第9回九条美術展の出品要項などは10月にお送 り致します(これまで出品された方々や賛同された 方など約2千名に)。

「表現の自由展・その後」不当にもl中止に

愛知県で開かれていた同展に、河村たかし名古 屋市長が介入して開幕3日目に中止になりました。 憲法で禁止されている検閲に当たるものであり、 表現の自由を踏みにじる暴挙です。現憲法の中で 九条の平和主義とともに、民主主義、基本的人権の 擁護が最も重要な柱であり、その核心である 言論の自由、表現の自由は憲法の生命線です。公の利益 や市民の安全を口実にこれを制限、委縮させよう とすることに対しては毅然とした対応が必要で す。今回の「『表現の自由』をみんなで考えましょ う」という企画に対して権力側(官邸や市長)が横 槍を入れるのは大問題。九条改憲阻止と表現の自 由を守る運動を一体のものとして取り組みましょ う。

内橋 克人
経済評論家
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『このまま行くとこうなるよ』。呼び止めたい。「白骨 街道」を知らず「ひもじさ」を知らず、「戦争を知らな い軍国少年」らの増殖。歯止めを。ひたすらに。
田中 優子
法政大総長  江戸文化研究科
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少子高齢化、人手不足、巨額の負債など日本は多く の課題を抱えています。九条を守ることは日本を守 ることです。高額兵器でこの国は守れません。(九条の会リーフレットより)

九条美術の会世話人

浅野輝-(油彩)・池田龍雄(美術家)・石井克(油彩) 入江観(油彩)・遠藤利克(立体造形)・大野修(油彩) 岡部昭(金エ)・岡本博(日本画)・小野絵里(絵画) 上候陽子(油彩)・小島和夫(日本画)・サイトウ良(版 画)・笹戸千津子(彫刻)・佐藤善勇(油彩)・妹尾河 童(作家・舞台美術)・滝沢具幸(日本画)・田島征三 (美術家)・田中正巳(油彩)・田中米吉(立体)・司 修(画家)・出店久夫(美術家)・中里繪魯洲(立体造 形)・中林忠良(版画)・野見山暁治(油彩)・橋本和 明(彫刻)・原弘(油彩)・舟越桂(彫刻)・深谷滉(油 彩)・本田希枝(油彩)・前山忠(美術家)・山内和則 (油彩)・吉井爽子(油彩)
評論・美術関係:安斎育郎・大井健地・岡村幸宜・窪 島誠一郎・佐喜眞道夫・辻惟雄・永田浩三・日夏露彦 宮田徹也・水尾日呂志・山田諭
(裏面) 「九条の会」が新たな声明を発表しました。全文をそのまま転載します。

参議院選挙後の新たな改憲情勢を迎えて

九条の会  2019.07.29
 参院選を経て、安倍改憲をめぐる情勢は新たな局面に入りました。2017年5月3日の改憲提言以来、自民党は衆参両院における改憲勢力3分の2という状況に乗じて改憲を強行しようとさまざまな策動を繰り返してきましたが、その後2年にわたり市民の運動とそれを背にした野党の頑張りによって改憲発議はおろか改憲案の憲法審査会への提示すらできませんでした。そして迎えた参院選において、改憲勢力は発議に必要な3分の2を維持することに失敗したのです。
 3分の2を阻止した直接の要因は、市民と野党の共闘が、「安倍政権による改憲」反対、安保法制廃止をはじめ13の共通政策を掲げて32の一人区全てで共闘し、奮闘したことです。また、安倍9条改憲NO! 全国市民アクション、九条の会が、3000万署名を掲げ戸別訪問や駅頭、大学門前でのスタンディングなど草の根からの運動を粘り強く続けることで、安倍改憲に反対する国民世論を形成・拡大する上で大きな役割を果たしたことも明らかです。
 しかし、安倍首相は任期中の改憲をあきらめていません。それどころか首相は、直後の記者会見において「(改憲論議については)少なくとも議論すべきだという国民の審判は下った」と述べて改憲発議に邁進する意欲を公言しています。これは、安倍首相一流のウソを本当のように言うもので、参院選の期間中もその後も、「安倍政権下での改憲」に反対の世論は多数を占め、改憲勢力が3分の2をとれなかったことこそが真実です。
 ところが、安倍首相は、自民党案にこだわらないと強調することで、野党の取り込みをはかり3分の2の回復を目指すなど、あらゆる形で改憲強行をはかろうとしています。
 安倍9条改憲を急がせる圧力も増大しています。アメリカは、イランとの核合意から一方的に離脱し挑発を繰り返した結果、中東地域での戦争の危険が高まっています。トランプ政権はイランとの軍事対決をはかるべく有志連合をよびかけ、日本に対しても参加の圧力を加えています。こうしたアメリカの戦争への武力による加担こそ、安倍政権が安保法制を強行した目的であり、そして安倍9条改憲のねらいにほかなりません。辺野古新基地建設への固執、常軌を逸したイージスアショア配備強行の動きも9条破壊の先取りです。
 6年半を越える安倍政治への不信とあきらめから、投票率が50%を割る事態が生まれています。この民主主義の危機を克服し再生するためにも、市民一人一人の草の根からの決起が求められています。参院選で3分の2を阻んだ市民の運動に確信をもち、安倍9条改憲NO! の3000万署名をさらに推進し、広範な人々と共同して草の根から、9条改憲の危険性を訴える宣伝と対話の活動を強めましょう。
 同時に、どんな口実であろうと自衛隊の有志連合への参加・自衛隊の海外派兵、さらなる軍事力の増強を許さない闘いを、安保法制の全面発動、実質的な9条破壊を許さない闘いとして取り組みましょう。
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